宝石ルースをご購入、ご入札検討の皆様へのお願いです。


 いつも当社のページをご覧頂きましてありがとうございます。有限会社セラフアンドシーオー、代表の河野です。
 当社出品の品、特に宝石ルースをお考えの皆様にお願いと注意です。


当社は宝石顕微鏡、宝石屈折計並びに偏光機、レーザートモグラフィ分析装置などを自社で備え、ほぼ全ての宝石に対して検査の上、出品しております。

ですが宝石販売のルールと致しましては「鑑別は第三者機関で行う」と言うのは大前提ですので、それらを謳う(うたう)ことは致しません。
昔の話ですが、大手量販ダイヤモンドの販売店が、自社の子飼い(子会社扱い)の鑑別、鑑定機関を設立し、ダイヤモンド・グレーディングを
非常に甘く出し、問題になった事が有りました。

そして大手と言われる中央宝石研究所でも、ダイヤモンドのグレード問題と言うのも有りましたし、全国宝石学協会でもパパラチアサファイアのベリリウム拡散加熱処理の看破が出来ず、大手百貨店などに混乱を招いた事もございます。

このように、一口に「鑑別、鑑定」と申しましても現状でも様々な紆余曲折が有ると言うことを知っておいてください。

増してや海外でのソーティングやグレーディングにはご注意下さい。

※(最近、日本の中小鑑別業者の中には悪質な業者も存在します。レーザートモグラフィ検査を伴わない非加熱コランダム鑑別の乱発などその一例です。酷いのになると、鉛ガラス含侵処理の明記すら無い鑑別を現在でも出している所も有ります。)




2010/5/15注:そういっている間に「全国宝石学協会」でダイヤモンド鑑定の疑惑が浮上しましたね。(笑)

10年程前にも、中央で同様の事が有りました。ダイヤモンドに関しては国内ではこんな事の繰り返しです。
そもそもダイヤの4Cなど、米国GIAが決めたのだからGIAでグレーディングすれば良い訳です。
日本ではAGTですね。http://www.giajpn.gr.jp/

業界の信用云々を言う業者が居ますが、そもそも「自分の目で見れない」事柄を「他人任せ」にしておきながら文句を言う販売業者自体が

「変」

です。ダイヤに関しては最初からGIAで鑑定すりゃ終いです。




さて、宝石の中には「特殊検査」を行わないと同定できない物も多数有ります。


当社で扱いの多い「パライバトルマリン」などは、その典型のひとつです。

知っての通りパライバに関しては、「蛍光]線分析」を行い、そのCuOとMnOの含有を証明しなければなりません。
当社では外部ラボラトリにて¥3150(税込、往復送料別)にて検査可能ですが、正直安価なスタートにて出品するパライバに全量検査を掛ける事はコスト的に不可能です。

多くのオークション出品者はこんな事すら書きませんが、当社と言いますか私はウソは嫌ですから記載します。


これは私共仕入れ業者にも当然当てはまります。実際、アメリカ、ツーソンのジェム&ミネラルショウで購入したパライバ原石でも含銅していないものが有りました。一目見て分かる様な色味でも含銅していない事も有れば、思いがけない色味で含銅している事があるのも「copper bearing tourmaline」なのです。


恐らく当オークションでも、当社はパライバトルマリンの扱い量は一番では無いでしょうか。希少なブラジル・サンノゼ・ダ・バターリャ産オールドネオンから、ご購入頂きやすい手頃なモザンビーク産まで・・・店舗、卸も含め5000ct以上は扱ってきています。

原石仕入れ、それも鉱山、鉱区が分かっているものであれば原石状態で分析検査を行うので問題無いのですが、カットルースはどこで仕入れようと検査をしない限り100%は有り得ません。

ただ、良く言われているようにブルーアパタイトとブルーグリーントルマリンの区別などは簡単です。屈折計さえ有れば看破出来ます。
問題は含銅の有無なのです。パライバトルマリンの鑑別は通常機器、及び経験値では出来ません。


勿論ここは日本ですから、ご購入、ご落札後に検査の結果「含銅」で無かった場合、落札代金は返金致します。
(検査に掛かる時間などを考慮し、パライバに関しては当社出荷より14日間の猶予を持たせて頂きます。15日以降は理由の如何に関わらず返金、返品には応じませんのでご了承下さい)


ただ、検査に掛かるコストはお客様任意のご希望ですから、お客様負担となりますのでご了承下さい。

先ほども記載しましたが、蛍光]線分析は¥3150(ラボへの往復送料別)にて当社で出来ますので、落札後、ご希望が有れば行います。


※最近見た例で酷かったのが、蛍光]線分析検査を伴わない簡易ソーティングにて
「別名パライバトルマリンと呼ばれています」と表記したミニ鑑別書です。
しかも驚いた事に日本の鑑別業者でした。名前は伏せますが消費者の無知を良い事に無茶苦茶な鑑別を出す業者も多数居ます。




ちなみに殆どの宝石は蛍光]線分析のみでその成分が分かりますから、分析する場合は、特に「鑑別」は行わなくても良いことになります。
と言う事は、パライバに限らず、どのような宝石でも詳細な成分分析が出来るということですね。
勿論、ホウ素の様に軽い元素は検出限界を超えますから看破はムリですが、殆どの宝石には有用な検査方法と言えます。


分析結果による悪評価はくれぐれもお避けください。


※2010年7月1日追記

朗報です。産業技術総合研究所の協力により、このたび「エネルギ分散型蛍光X線分析装置」の使用が可能となりました。
勿論料金は発生致しますが、今までより迅速な分析が可能となりました。

御存じの通り、蛍光X線分析はパライバトルマリンの銅含有を調べると言うだけでは無く、あらゆる物質の組成(つまり何で出来ているか)を
調べる装置です。

エネルギ分散型では元素周期表でC・・・つまり炭素ですね。これ以下の軽元素は検出できません。ですのでダイヤモンドの組成などは
調べられないのですが、その他殆どのカラード・ストーンは分析が可能です。

「自分の持っている色石の着色要因を知りたい」

等と言う使用方法には、最適な装置が蛍光X線分析装置。

当社では極力、皆様のご要望にお答えするべく、パライバに限らず分析可能なルース、原石等に付きましては、ご依頼を承ります。
これこそどこの鑑別機関に依頼しても行なってくれない色石分析と言えます。

又、今後販売するパライバトルマリンに付いても、極力分析を行い、その銅及びマンガンの含有量を示して販売してまいります。




その他、色石の宝石鑑別に関しては何なりとご相談下さい。他にてご購入のルースでも、出来る限り対応します。

当社で鑑別して分かる事柄で有れば、¥500程度で鑑別しますし、外部鑑別屋(信頼できる安価な所)も同業者で居ますので・・・・・・・
(外部に出す場合は料金は別です。)


「大手の折り紙」が欲しい方以外で「真実」を知りたい方はご相談下さい。



通常、鑑別屋と言うのは「その石が何か」としか教えてくれません。その他の詳細な知識をお客である依頼者に教えたら商売にならないからです。

例えば各産地のサファイアの特徴とか、肉眼での加熱非加熱判別など教えたら全国宝石学協会の¥37250の産地同定付き鑑別書など、どう考えても誰も取得しなくなりますね。転売や値打ち付けて売る小道具以外には。

鑑別屋の商売とはそういうことです。


そもそも大手では「インクルージョンの状態」とか「その石の持つ特徴」などは教えてくれませんよね?
当社ではそういう部分が大切だと考えていますので、出来る限りご説明致します。

                         文責

                                                    有限会社セラフアンドシーオー 代表取締役社長 河野 彰

                                                   お問合せ先 メール seraph@seraph-co.com

                                  0725-44-7520

                                                   ※なるべくメールにて問い合わせてください。